こんにちは!料理中、卵をといてたら大体ボールから卵がはみ出ています。
不器用ママの鹿野(シカノ)です。
さて皆さん、「妊娠したよ!」というとまず「おめでとう!」とお祝いされますよね。
そして次に「つわりは大丈夫?」と聞かれませんか?
妊娠=つわり、というくらい妊娠中のトラブルといえば、つわりを思い浮かびますよね。
では、妊娠中の体調変化とはつわりだけなのでしょうか?
ここではつわり以外の各種マイナートラブルと、その解消方法を解説します。
長くなりそうでしたので、今回は前編として、
体でおこるトラブルを中心にまとめましたので、
よろしければ大変な妊婦生活のひとつの参考にしてください!
マイナートラブル① 便秘
まず最初のマイナートラブル!便秘です。
もともと女性は男性よりも便秘になりやすいようですが、
普段便秘にならない人でも妊娠中は便秘になる人も多いようです。
私はもともと便秘しやすい人間でしたが、
妊娠中には過去一番ひどい便秘になりました。
便秘になりやすい方は本当に気を付けてください!
便秘の原因
妊娠時における便秘は様々な原因でおこるといわれています。
①子宮収縮を抑制するために出るホルモンが、腸周辺の筋肉の運動機能を低下させる
腸周辺の筋肉の運動機能が低下するため、便を出すの力が弱くなります。
②胎児の成長で子宮が大きくなり、腸を圧迫して便がスムーズに出なくなる
便の通り道が狭くなるため、便が出しづらくなります。
➂つわりによって、食事が出来ず、食物繊維や水分がたりず便が硬くなる
体の水分量が不足していると、便まで水分が行き届かず、
便が硬くなります。
④妊娠の疲労やストレスにより、自律神経が乱れて腸の働きを悪くする
腸の動きが悪くなると、便を体の外に押し出す力が弱くなります。
⑤妊娠することで、運動量が減少し腸の働きが弱くなる
妊娠中はお腹の張りや体調不良で、運動が制限されることがあります。
便秘の解消方法
さて、それでは妊娠による便秘はどのように解消していけば良いでしょうか。
①朝の目覚めに1杯の水分補給をする
妊娠中は水分の排出が鈍くなるので水分は積極的にとった方が良いのですが、
起きてすぐの水分補給は寝ている最中に消費した水分不足が解消でき、
胃腸の働きが活発になる効果も期待できます。
②食物繊維を積極的にとる
食物繊維を積極的にとることで便をやわらかくし、腸内環境を整え、
腸の動きを活発化させます。
水溶性の食物繊維だと海藻類や納豆、にんじん、キウイ、プルーンなど。
不溶性食物繊維はいんげん豆、あずき、えんどう豆、大豆などの豆類。
両方をバランスよくとると良いでしょう。
➂適度な運動をする
妊娠中は無理な運動は禁物ですが、病院から運動の制限が出ていない場合は、
無理しない程度のストレッチ、ウォーキングや散歩をする事で、腸を刺激します。
④トイレの習慣をつける
毎日トイレの習慣をつけることで自然に便意が起きやすくなる事があります。
意外とトイレに行きたいと思った瞬間に、普段トイレに行けない事も多いですが、
便秘になりやすい期間ですので、積極的にトイレに行くように心がけましょう。
➄乳酸菌をとる
乳酸菌には腸のはたらきを整える作用があるので、
チーズ、ヨーグルト、納豆、漬物など食べやすいものを選んで食べるといいでしょう。
ちなみに私は風邪予防と便秘解消のために、
妊娠中はヤクルトの定期購入をしていました。
夏の暑い日は外に出られなかったので、宅配してくれるのは助かりました!
⑥睡眠をとる
寝る前のリラックスした時間は腸の働きが活発になるため、
リラックスして眠れるようにしましょう。
マイナートラブル②頻尿
2つマイナートラブルは頻尿!
妊娠すると通常より尿意や残尿感を感じることが多いようです。
重いお腹を抱えて何度もトイレに行くのは大変ですよね。
原因を探ってみましょう。
頻尿の原因
①膀胱の圧迫(妊娠初期)
膀胱が子宮の前がわにあり、胎児の成長により子宮が大きくなることで、
近くにある膀胱や尿路が圧迫されることにより頻尿になります。
だいたい妊娠4か月ころまでつづき、
子宮がお腹の上のほうにあがる妊娠中期頃に収まることが多いようです。
②膀胱の圧迫(妊娠36週以降)
妊娠36週以降になると胎児が子宮の下の方に降りてきて
尿道や腸を圧迫するため85%の人が頻尿を経験するといわれています。
➂プロゲステロンの影響
妊娠中に分泌が増えるプロゲステロンというホルモンが胃や腸、
血管、子宮、尿管などの壁にある筋肉をゆるめる働きがあり、
子宮や膀胱を弛緩させ、頻尿をひきおこしやすくなります。
④肝機能の活発化
妊娠に伴い血流量が増加することにより、肝機能が活発化し、
尿が排出されやすくなり、尿量がふえます。
頻尿の解消方法
①カフェインを控える
利尿作用があるカフェインを含む、コーヒーや紅茶の飲みすぎに注意。
カフェインをとると通常の状態でもトイレが近くなりますよね。
妊娠中は特に気を付けましょう。
②就寝前の水分摂取を控える
寝る前に水分をとると夜にトイレに行く回数が増えるため、
水分の多い果物や野菜の摂取を含め注意が必要です。
寝る時間から逆算して、少し早めに摂取すると良いかもしれません。
➂身体が冷えないようにする
身体の冷えが強いときは頻尿の症状が強くなるため、
冷房を使うときは設定温度に注意しましょう。
ひざかけや腹巻を使い対策を行うと良いでしょう。
また、血流を悪くするような締めつける服は冷えを引き起こしやすいため、
ゆったりとした服を着るようにするのもオススメです。
④我慢しない
妊娠中は、ホルモンバランスや自律神経の乱れで免疫機能が低下しているため、
トイレに行くのを我慢すると膀胱炎になることもあるため、
我慢はしないようにしましょう。
妊娠中はとにかく我慢は禁物!
自分とお腹の赤ちゃんに優しく、トイレは行きたい時に行きましょう。
マイナートラブル➂痔
3つ目のマイナートラブルは痔です!
もともと痔だよ~という人が悪化しやすいようですね。
シカノは出産時にいきんだ時に悪化し、出産後非常につらい思いをしました、、、、。
出産後、会陰切開よりもなぜか痔が痛くて痛み止めを貰うという不思議な状態に。
妊娠中に予防できるものはしておきましょう!
痔の原因
①うっ血
子宮が大きくなったことによる便秘などにより、肛門や直腸周囲が圧迫され、
血行が悪くなり、うっ血し、痔になりやすくなります。
②便秘
便秘になると固い便を出す時に無理に押し出そうとするため、
肛門に圧力がかかり痔になりやすくなります。
痔の解消方法
①適度な運動をする
無理のない範囲で適度な運動をすることで、血行をよくしましょう。
②同じ姿勢を続けない
長い時間立っていたり、座り続けることは避け、
骨盤内のうっ血を防ぎ、血行が悪くなるのを避けましょう。
➂食事に食物繊維を取り入れる
食物繊維の多い豆類やキノコ、野菜、果物や水分を取り入れた食事をしましょう。
とにかく便秘対策同様、健康な便を目指すことが大事です。
④身体を冷やさない
身体を温めることで、肛門周辺の血行を良くします。
寒い時期はもちろん、暑い時期も冷やし過ぎないようにしましょう。
➄清潔にする
肛門の周囲を清潔にし、悪化を防ぎましょう。
マイナートラブル④腰痛
4つ目のマイナートラブルは腰痛です。
多くの妊婦さんが妊娠中に腰痛を感じることがあるようです。
どうして腰痛になるのか、どうしたら改善できるか、
予防策も含めてみていきましょう。
腰痛の原因
①女性ホルモンの影響
妊娠3ヶ月頃から分泌される、
卵巣ホルモンの1種の、リラキシンによる影響が原因の一つと言われています。
胎児が産道を通過しやすくなるように関節やじん帯をゆるめる働きがあり、
骨盤のじん帯を弛緩させるだけでなく、骨盤の接合部や体重を支えている関節も
ゆるませる為、ゆるんだ骨盤を支えようと
腰回りの筋肉・じん帯・関節に負荷がかかります。
②姿勢の影響
お腹が大きくなると、体の重心が前に移動するので、骨盤や腰椎が前傾になります。
頭部から背骨、骨盤を支える筋肉で後方に支えバランスを取ろうとするため、
背中が張った状態がつづき、腰や背部を痛める原因になるといわれています。
腰痛の解消法
①妊娠用のベルトやガードルで骨盤のゆるみを予防し、骨盤を固定する。
骨盤をサポートするベルトはお店でも良く見かけますよね。
是非、活用していきましょう。
②腰痛軽減のマッサージをおこなう。
マッサージで痛みを軽減することも大事です。
➂腰や腹、背筋などを温める。
温めると痛みが和らぎリラックスできます。
④抱き枕やクッションを使って楽な体制をとるようにする。
自分の楽な体制を探してみましょう。
➄湯ぶねにつかるなどで日ごろから体をあたためる。
湯ぶねにつかると体が温まり、痛みがやわらぎます。
⑥妊婦用のハーブティなどを飲み、体の内側からあたためる。
ハーブティはノンカフェインの為、妊婦さんにオススメです。
⑦長時間の歩行や同じ姿勢を避ける。
適度な運動を心掛け、無理しすぎないようにしましょう。
⑧無理のない範囲で背筋を強化しておく。
無理しない程度に筋肉を鍛えて、重心を整えましょう。
⑨硬めの布団やマットレスで寝る。
柔らかい寝具は腰に圧力がかかりすぎる為、出来るだけ避けましょう。
マイナートラブル➄こむら返り
5つ目のマイナートラブルはこむら返りです!
ふくらはぎにある筋肉がけいれんを起こす。
足の筋肉が硬く収縮して激痛が発生する。
妊娠することにより、症状がおこる頻度が上がるといわれています。
こむら返りの原因
①骨盤のゆるみ
成長した胎児によって、骨盤が内側から押し広げられておこる骨盤のゆるみや、
大きくなったお腹を支えるための、背筋の伸ばし方の変化により、
骨盤にゆるみや歪みが生じ、足の筋肉が引き伸ばされ、
ふくらはぎの筋肉が元に戻ろうと急激に収縮し、引き起こされます。
②体重の増加
体重の増加により足への負担が増え筋肉が疲労し、
さらにお腹が大きくなくことが原因で、
太ももの付け根あたりの血管が圧迫され、
下半身の血流の循環が悪くなり引き起こされます。
➂ミネラル不足
神経の伝達を助けるカルシウムや、
神経・筋肉を調整するマグネシウムなどのミネラルが不足すると、
神経・筋肉が興奮しやすくなり、異常収縮を引き起こします。
妊娠中は胎児に優先的に栄養が送られる為、ミネラルが不足しやすくなります。
こむら返りの解消法
①骨盤を締める
医師と相談したうえで骨盤ベルトを使い、
骨盤を正しい位置に戻すことにより骨盤のゆるみ・歪みを正しましょう。
②血行を改善する
ウォーキングやストレッチなど軽い運動を継続することで、
全身の血行がよくする事もオススメです。
体を動かす際は脱水症状や腹部の張りには気を付け、入浴などでも血行を改善します。
➂食生活を工夫する
カルシウムやマグネシウムが不足しないように食材で補給することも重要です。
カルシウムは乳製品、魚介類、葉物野菜。
マグネシウムは豆類、海藻、佃煮に多く含まれます。
ジュースや甘いお菓子をとり過ぎると、
血中のカルシムが低下しやすくなるので気を付けましょう。
④タオルをつかって伸ばす
タオルを足の裏にかけてタオルの両端を左右の手でひっぱり、伸ばします。
実際にこむら返りが起こった時は、解消法として試してみましょう。
マイナートラブル⑥静脈瘤(じょうみゃくりゅう)
6つ目のマイナートラブルは静脈瘤です!
静脈瘤とは、静脈の逆流を防ぐためにある弁が正しく働かず、血液が逆流したことにより
血管が広がり瘤状となり、皮膚が浮き出たりゴム風船のように膨らむ症状の事をいいます。
静脈瘤はあらゆる静脈に起こりますが、妊娠中には下半身に起こりやすく、
下肢にできるものを下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)、
肛門付近にできるものを陰部静脈瘤(いんぶじょうみゃくりゅう)といい、
下肢静脈瘤は妊婦の20~30%にみられるといわれています。
静脈瘤の原因
①血液量の増加と血管の拡張
妊娠中は胎児に酸素や栄養をおくるために、
血管が拡張し血液の量が増えます。
妊娠を維持するためのホルモンである、
プロゲステロンが増えている影響で、静脈壁の緊張が低下し、
静脈弁の働きが鈍ることにより、静脈内の血流が悪くなります。
②子宮が大きくなり血管を圧迫する
おもに妊娠中期以降にはお腹にある大静脈が、
大きくなった子宮に圧迫され静脈圧あがり、
下半身の血液が大静脈に戻らず静脈瘤が発症します。
静脈瘤の解消法
妊娠中は下半身に静脈瘤が出来やすいため、
下肢の血行の改善が有効といわれています。
①服装を工夫する
・体を締め付ける服装を避ける。
・弾性ストッキングやソックスをはく
・レッグウォーマーをはく
②血行をよくする
・長時間立っている、座っているなど同じ姿勢を取らないように気を付ける。
・散歩やエクササイズなど医師と相談しながら軽い運動で血行をよくする
・冷たい飲み物を控え、体を冷やさないようにする
・生姜などを使った体をあたためる料理をたべる
・足を高めに上げて寝る
・お風呂では湯舟につかり、体をあたためる
➂医師に相談する
体の表面の静脈にできる静脈瘤自体は危険性は少ないといわれていますが、
体の深部静脈に血栓ができると重症化するリスクがあるため、
気になる静脈瘤がある場合は医師に相談しましょう。
シカノのまとめ
妊娠中のマイナートラブルをまとめてみようと思ったのは、
私が妊娠時に強烈な便秘&出産時に過去最大の痔を経験したからなのですが、
調べてみて、あまりの妊娠中の身体トラブルの多さにめまいがしそうでした。
全てを経験する方はまれかもしれませんが、
妊娠中の皆さま本当に本当にお疲れ様です!!
妊娠前との体の違いに、自分一人の体ではない事をしみじみ感じ、
心身ともにしんどい事も多いでしょう。
是非、自分の体(またはパートナーの体)を労わってあげてほしいです。
さて、これだけマイナートラブルをあげてみましたが、まだ前編です。
後編も引き続き、
なぜ起こるのか?どうやったら解消できるのかをまとめていきたいと思います。
この記事は以下の情報を参考に執筆しております。
『見てできる臨床ケア図鑑 周産期ビジュアルナーシング』㈱学研メディカル秀潤社